Ethereum、Ripple、Litecoinなどは言うにおよばず、現在では、総数2,000を超える種類のアルトコインが世界中で開発され、しのぎを削っていると言われています。
そのいずれもが、基本的なアイディアとして参考にしているのが、ビットコインという代表的な仮想通貨です。
実際のところ、それぞれの仮想通貨により、採用している技術も違います。
それに伴い、立ち上げ方や手法も様々です。
しかし、それが通貨である以上、ユーザーが納得する公正性と利益を、開発者は最初から担保しなければなりません。
そう言う意味では、世の中にリリースしてから安定して取引されるようになるまでの間が、仮想通貨のキャリアの中で最も大きな意味を持つ時期だとも言えるでしょう。
一方で、『全てが丸く収まる合理的な仮想通貨の立ち上げ方法』というものは、未だに確立されていないと言えそうです。
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筋縄ではいかない【仮想通貨の立ち上げ】
ヴィタリック・ブテリン、Zooko、チャーリー・リー、ジェッド・マカレブ、ダニエル・ラリマー、彼らは皆、ビットコイン初期のサポーター達でした。
そして、主要な仮想通貨から大きな富を得ると同時に、自らの手で通貨開発に乗り出した人達です。
とは言え、彼らの通貨のリリース方法は、必ずしも万人にとって公平なものとは言い切れない場合が多いようです。
たとえば、ブテリンが開発したEthereumのICOについては、発行するコインの内の多くが特定の人だけに手渡された、と批判する声があります。
また、Zookoにより開発されたZcashが約束した、マイニングに対する20%の報酬額には、いまだに疑義が唱えられたりもしています。
これが原因してか、ZcashはハードフォークによりZ Classicへと分岐、初期の出資者が得られるはずだった利益を薄めてしまいました。
そのZcashは、さらに分岐してZencashを生み出し、いまではHorizenへと変形しています(Zcashにはゼロ知識証明、という進んだ認証技術が取り入れられていますが、これにも疑問符を呈する人がいます)。
もう一つ言えば、Rippleのブロックチェーンでは、最も初期の段階にあるべきブロックヘッダーが消失しており、この通貨がどのように発生したのかを検証するのを難しくしているのだそうです。
仮想通貨は、技術的にも運営の仕組み的にもまだまだ模索が続いているものです。
だから、仮に新規で発行された通貨に、後から一定の問題が生じたとしても仕方のないこと、とも言えるでしょう。
GrinとBeamは、真に公正な立ち上げプロセスを達成できるか?
今年2019年になっても、仮想通貨立ち上げのための新たなコンセプト(ホワイトペーパー)が考案され続けています。
そぼ代表的なものが、『Grin』および、『Beam』です。
Grinは、匿名のメンバーで構成するチームが開発し、事前のマイニングや初期の出資者達への報酬還元も提案しておらず、さらにリーダーとなる人物も存在しません。
こういった構造により、通貨の公正性を担保しようとしているようです。
一方、Beamの方はと言えば、名の知れた人々がビジネスとして立ち上げた通貨であり、初期出資者にはZcashと同じような仕組みで報酬を約束しています。
Grinがそうしたように、特定の人に特別な通貨を手渡さないのであれば、初期に参加したユーザー達はフェアな価格で、身の丈に合っただけコインを入手し、それが市場で成長するのをじっくり待つことも可能です。
ただ問題なのは、その仮想通貨を開発する段階で、開発者が背負わなければならない予算の捻出が難しいという点でしょう。
公的通貨で、仮想通貨の開発費用を全額集めるのは、現実問題としてかなり困難です。
どんなに崇高な理念が合っても、その通貨プロジェクトが途中で頓挫してしまっては、公正性も何も吹っ飛んでしまいます。
ビットコインの功績
仮想通貨の立ち上げ方を考えた時、この世に生まれた最初の仮想通貨である『ビットコイン』には、有利な点がいくつかあったとも考えられます。
もちろん、サトシ・ナカモトがこの構想を発表した時代にはICOなども存在していませんでした。
彼が当初設定したのは『成功すると50BTCがもらえる、比較的にやりやすいマイニング』だけでした。
これは、情報工学などに興味のある人達がいわば趣味の様に取り組みやすく、場合によるとこのマイニングから、数千BTCも入手が可能だったのです。
こういった状況が、初期のビットコインを成功へと導く原動力になったことは、想像に難くないところです。
加えて、もう一つチェックしておくべきなのは、サトシ・ナカモト自身の取った行動でしょう。
彼は、初期の容易なマイニングで採掘した(一説には)数千BTCものコインを、流通経路から切り離し永久に凍結しました。
当然この行動は、他の保有者のコイン価値を値上がりさせる結果を生み、ビットコインの取引を軌道に乗せる、1つの要因となったわけです。
今では過剰に電力を消費するということで、批判の的にもなっているのが、ビットコインのマイニング。
『初期に設定された、通貨の供給率が大きすぎた』というのも、この過熱ぶりを呼ぶ理由だったと言えるでしょう。
しかし、「億り人」を何人も生み出すことばかりか、それ自体が定着するかさえ予想できなかったのが、ビットコインの立ち上げ段階です。
その頃に、創始者達が行ったことが結局、今となっては最も公正で合理的な通貨の発行手法だった、と思えないでしょうか?
少なくとも、彼らのそのような行動(原点)があってこそ、主要通貨は波及し、世界中に数千の仮想通貨が広がる今の時代があるのは確かなのですから。
*許可の下、翻訳記事は作成されています。
以下、参照元サイトです(英語原文)。
https://news.bitcoin.com/bitcoin-had-a-fairer-launch-than-any-altcoin/