2017年7月24日現在、ビットコイン界隈は混乱状態といっても過言ではありません。
これまでのハードフォーク問題は一旦は落ち着きを見せましたが、ビットコイン(BIP91)やビットコインキャッシュなど、新たに登場したものもあり、いまだに一段落つく様子ではないのが現状です。
ひとまず、ビットコインの分裂問題は、ソフトフォークを実行することで決定しました。問題はその実行方法なのですが、ここでも再度その実行方法が二つ提案され、どちらの手法をとるか話し合われていました。そして、最終的な投票の結果 『BPI91』 と呼ばれる手法をとるようになりました。
以下では、この決定に伴う様々な動きを見ていきます!
- ソフトフォークの二つの実行手法とは?
- 主要取引所の対応
- 中国によるハードフォークの強行とビットコインキャッシュとは?
- 今回の騒動解決の音頭をとろうとする、日本仮想通貨事業所協会とは?
【国内のおすすめ取引所ランキング】
1位 DMM Bitcoin
- 仮想通貨が初めての人にも見やすいチャートが好評。365日24時間LINEサポート対応。
2位 Zaif
- ビットコイン取引手数料の安さNo.1。
3位 GMO
- 上場企業によって運営される取引所。
海外も含めた取引所の比較はこちら
ビットコイン(BIP91)?ビットコイン(BIP148)?
BIP91とは?
BIP91は、SegWit(処理負担圧縮)をマイナーによる80%の支持を得た場合、実行するというものです。つまり、BIP91のコードが含まれるビットコインのブロックは、80%の支持を得て初めてSegWit(処理負担圧縮)されます。つまり、参加者の80%の人が同意してから Segwit が実行されるため、市場の混乱は抑えられるのがメリットと言えます。
しかしそれは逆に、80%の支持を得なければずっと Segwit されないことになります。最後には、結局SegWitされていないブロックをすべて拒否するようになりますが、BIP91の場合はいつ実行されるか予測できず、問題の先延ばしに繋がるとされていました。
この 「多くの参加者による同意と、 Segwit の時期の未確定な実行」が 「BIP91」 と呼ばれるもののイメージと思っていただいて問題ありません。
BIP148とは?
BIP148は、2017年3月頃から提案されていたもので、SegWit(処理負担圧縮)をマイナーによる大多数の支持を待たずに実行することを指します。つまり、BIP148のコードが含まれるビットコインのブロックは、8月1日にSegWit(処理負担圧縮)を強行します。そして、SegWitされていないブロックをすべて拒否するようになります。これは、問題の即時解決に注力したものと言えるでしょう。
この 「Segwitの強行」が 「BIP148」 と呼ばれるもののイメージと思っていただいて問題ありません。
主要な取引所の新たな対応
bitFlyer
現在(7月24日)、改めての公式発表なし。
本来の想定されていたハードフォーク問題解決の動きとは、実際は大きく異なる結果となりましたが、こちらはハードフォーク(分裂)を想定して動いていたようです。そのため、分裂後の通貨もきっちり配布する準備もしていたようですので、改めての発表がないのだと思われます。
あるいは恐らく、ビットコインキャッシュを配布する措置をとると思われますが、そのルール策定に時間を有しているのかもしれません。国内最大大手の会員数を誇る取引所だけに、注目が集まります。
Zaif
今後、ビットコインキャッシュに対しては、なんらかの発表を行うということを告知。
ソフトフォーク問題に関しては既に対応済みのようで、行われていた停止措置も解除され、何も問題なさそうです。
引き続き8月1日には、ハードフォークによる分岐の可能性があることから、
そちらの対応について、何らかの措置が発生する場合には、改めて決定次第速やかにご連絡させていただきます。
8月1日に予期されるビットコイン分岐リスクに向けた対応についてのお知らせ(その3)
CoinCheck
今後、ビットコインキャッシュについては、是非を判断することを告知。
ソフトフォークに関しては停止措置も解除されており、問題なく取引の再開が行われているようです。
Bitcoin Cashの取り扱いについては弊社にて状況を判断後、対応を検討いたします。取り扱いの対応を行う場合、以下の条件に当てはまる方には分岐日時において保有しているビットコインと同量のBitcoin Cashを付与いたします。
- 現物のビットコインを保有している
- 「レバレッジ取引」でロングポジションを持っている
- 「貸仮想通貨サービス」にてビットコインを貸し出している
https://coincheck.com/blog/4042
2017年8月1日「Bitcoin Cash」に係る対応方針と一部機能の停止について
ビットコインキャッシュとは?
今回の騒動に関して、万全の体制を見せる日本の取引所各社ですが、その根底を揺るがす事態も突如起きました。それが、中国のビットコインマイナー勢による「ビットコインキャッシュ」と呼ばれる仮想通貨の発行です。中国は取引高は今となってはそこまでですが、マイニング(採掘)に関しては大きな力を未だに持っています。そのため、今回の話し合いでも中国勢の意見は声高に叫ばれていました。
ビットコインキャッシュとビットコイン
ビットコインキャッシュとは、ビットコインを元にした、まったく新しい仮想通貨だと思って下さい。ビットコインのハードフォーク(分裂)を何としても行いたい中国のマイナー勢が、なんとか自分たちに有利なように行動した結果、突如生まれてきた仮想通貨です。
というのも、現行のビットコイン専用のマイニングマシーンを大量に保有する中国勢は、8月1日に行われる予定だったハードフォーク問題に期待していました。彼らはハードフォーク(分裂)が行われ、これまでのビットコインの仕様が変わらず続いていくことを願っていたのです。しかし、どれだけ声高に叫ぼうとも、ハードフォーク(分裂)は回避され、セグウィット(圧縮)という手法がとられる結果となりました。
これに納得のいかない中国マイナー勢は、ビットコインをハードフォークした場合に生まれるはずだった通貨を突如として提案。無理やり分裂させる道を選びました。
これが、ビットコインキャッシュと呼ばれるものの正体です。そして、このビットコインキャッシュを使って、ビットコインにとって代わろうと動いています。
肝心のビットコインキャッシュですが、ビットコインを既に持つ人には同価値のビットコインキャッシュを配布するそうです。やはり、ビットコインにとって代わり、実質的なハードフォークを行ってしまおうという狙いがあるようです。しかし、ここで注意したいのが、そもそも「ビットコインキャッシュ」を取り扱う取引所の存在です。いくら配布されるとしても、そもそも取り扱いされていない取引所もあるので、自分が利用してる取引所はどのような対応をするのか確認する必要がありそうです。
各取引所の今後の対応にもよりますが、現在は以下の二社が取り扱いを表明しています。
bitBank(国内)
こちらは国内で唯一、ビットコインキャッシュの配布を発表している取引所です。
Bitcoin Cash等の分岐計画によりビットコインが複数に分裂した場合、お客様が停止時点で保有するBTCと同数のコインを、8月2日以降に全額付与します。
分岐に伴うビットコイン入出金停止に関するスケジュール変更のお知らせ
ViaBTC
こちらは中国の取引所になります。
画像にも出ていますが、既にBCC(ビットコインキャッシュ)のレートが発表され、取引が行われています。
日本仮想通貨事業者協会(JSBC)とは?
仮想通貨ビジネスを行うにあたり、必要な情報の共有や仮想通貨ビジネスの勉強会を開いており、健全な業界育成を促進させる集まりのようです。しかし、NPO(特定非営利活動法人)ではなく、母体も一般社団法人となっており、営利目的の活動も行われるようです。
以下、公式HPからの抜粋です。
一般社団法人日本仮想通貨事業者協会(旧 仮想通貨ビジネス勉強会)は、銀行・証券会社・金融商品取引業者が日本国内において仮想通貨ビジネスをはじめるにあたり、テクノロジー・会計・レギュレーション・商慣行などの面から、必要な情報の調査・研究、知見の集約、意見交換を積極的に行い、業界の健全な発展を目指すために設立された一般社団法人仮想通貨ビジネス勉強会を母体としています。
平成28年12月に組織改編を経て、登録仮想通貨交換業者を正会員とする、自主規制団体を目指して活動しております。
最後に
ハードフォーク問題は解決され、ビットコインの分裂問題は回避されたかに思えました。
しかし、まだまだビットコインを取り巻く環境は、慌ただしく変化しています。
今後も各取引所の動き次第では、ビットコインキャッシュが一気に普及する可能性も考えられます。そうなれば、今回のソフトフォークの一連の動きが無意味なものになりかねず、世界中がビットコインに注目しています。
8月1日~2日に、各取引所も動きを見せるようですので、注意しておきましょう。