ビットコインの価格高騰がとどまるところを知らず、伸び続けています。
これをバブルと見る人もいれば、ビットコイン本来の価値に近づいていると見る人もいます。
ここ最近の『高騰の本当の理由』をわかりやすく解説しました。
ビットコインを取り巻く環境を見れば、今回の高騰の理由も見えてきます。
実際にビットコインはなぜ値上がりするのか?
ビットコインにまつわる世界の動きと、投資家心理を見ながら解説していきます。
【目次】
- ビットコインを取り巻く世界各国:北ヨーロッパ
- ビットコインを取り巻く世界各国:東ヨーロッパ
- ビットコインを取り巻く世界各国:北アメリカ/中央アメリカ
- ビットコインを取り巻く世界各国:オーストラリア
- ビットコインを取り巻く世界各国:南アジア
- ビットコインを取り巻く世界各国:東南ジア
- ビットコインを取り巻く世界各国:東アジア
- ビットコイン市場に絡む投資家心理
- 最後に
ビットコインを取り巻く世界各国の動き:北ヨーロッパ
オーストリア
『ビットコイン』が現在最も普及している国が、EU加盟国の『オーストリア』です。
国内の郵便局の全てで、ビットコインを含む4種の仮想通貨の取り扱いを開始しています。
また、窓口で仮想通貨の購入もできるようになっています。
実際の購入方法は、まずお金を窓口で支払います。
そうすると、ビットコインが入っている口座(ビットコインアドレス)を示す紙が渡されます。
その口座から、自分のビットコイン用口座(ビットコインアドレス)に送金することで、ビットコインを得るという形になります。
国内のビットコイン取引所もビットコインの普及に力を入れており、郵便局と協力して取り組んでいます。
現在、ビットコイン決済の利用可能店舗は郵便局を合わせて、約1800になります。
これは、日本の約10倍の数です。
人口も経済規模違うので一概には言えませんが、オーストリアが今後『ビットコイン利用』における、なんらかの基準やルールを作っていく可能性が高いと考えられています。
ヨーロッパ
ヨーロッパを代表する『EU』は、『仮想通貨取引の匿名性』を問題に挙げ、導入には慎重な姿勢を示しています。
2017年2月~4月の連合議会の意見を総括すると、マネーロンダリングや脱税の危険性を考慮し、なんらかの規制やルールを設ける姿勢が『EU全体』としてはあるようです。
『仮想通貨』の規制に向けたこの一連の動きは2016年から始まっており、2017年中にはなんらかの指針や法案、ルールが決定されるのではないかと、地元メディアも注目しています。
最も有力な方針が、『匿名性を排除した仮想通貨取引の導入』です。財務・税務を管理する機関がなんらかの方法で、個人と仮想通貨取引を監視できるような規制・ルールを設ける動きのようです。
スイス
国営鉄道の券売機では、既にビットコインの購入と決済が可能となっています。
今後は、郵便局や空港での導入が期待されており、最もビットコイン決済導入に積極的な国の一つと言えるでしょう。
国の規模はそこまで大きくありませんが、永世中立国という特殊な立場のため、『仮想通貨』の国内需要は高そうです。
ビットコインを取り巻く世界各国の動き:東ヨーロッパ
ロシア
ビットコインのマイニングに関して、現在の第一位は中国です。
しかし、最近ではそれを追い越そうとロシアが動き出しました。
2017年8月9日、ロシアで大規模なマイニングプールの設立に向けた動きがあると一部では報じられています。
その資金も『ICO』で集められており、ビットコインやイーサリアムと交換できると発表されています。
ロシアのほうがマイニングにかかる『電気代』が安いうえ、気候も非常に低いためマシーンの『熱暴走』に強く、『採掘』に向いている条件が整っています。
そのため、今後はビットコインだけだなく『マイニング』全般に関して、『ロシア』の存在感が増してくると予想されます。
これまで、ロシアはビットコインを全面禁止の方向で進める一方、ブロックチェーン技術に大きな興味を示していました。
そして、監視を強化しながらとはいえ、今回のロシア国内の民間企業の動きは世界に衝撃を与えました。
今後ロシアはどう動くのか、全く先が読めませんが、その影響力は大きなものとなるのは確実と言えるでしょう。
ウクライナ
2017年内に150台のビットコイン専用ATMを設置することが決定しました。
この夏の終わりまでに、首都や主要道路に約30台のビットコイン専用ATMを設置するようです。
ATM設置には『法律の規制』も特に無いため、民間企業の続々の参入が期待されています。
そのため、今後もこの動きは広がりを見せ、どんどんビットコイン専用ATMが設置されていくと思われます。
ビットコインを取り巻く世界各国の動き:北アメリカ・中央アメリカ
アメリカ
アメリカでは、各州の州法で規制されるにとどまっています。
州によって異なる規制やルールのため、かえって混乱を招く状況となっているようです。
そのため、アメリカ全土での『画一的な法』の制定を求める声が高まっています。
このように、『ビットコイン』誕生の国『アメリカ』ですら、ビットコインに代表される『仮想通貨』への対処に困っている状況と言えます。
また、アメリカは2017年7月に、独自の仮想通貨の発行を通じて起業資金を集める手法(ICO)を規制すると発表しています。
直接ビットコイン市場に影響があるわけではありませんが、その他の仮想通貨に影響があるため、無視すべきではありません。
今後のアメリカの動きに注意しましょう。
カナダ
2014年の段階で、トロントやバンクーバー、オタワなどの主要都市には『ビットコイン専用ATM』が設置されていました。
そして2017年2月に、『カナダ中央銀行』は『ジャスパー』と呼ばれる独自の仮想通貨を発行するプロジェクトが既に動いていることを発表しました。
『カナダ』は、『ビットコイン』に潜む可能性を認める一方、政府の介入なしには『仮想通貨』は正常に稼働しないと考えているようです。
そのため、ブロックチェーン技術を応用した、政府による『独自の仮想通貨の発行』を狙って動いているようです。
中国も同じ動きを見せているため、なんらかの繋がりも考えられます。
今後のカナダの動きに注視しましょう。
ビットコインを取り巻く世界各国の動き:オーストラリア
オーストラリア
2017年8月7日に上院議員二名が、ビットコインを『法定通貨』とすることを提案しました。
この提案はオーストラリア内で波紋を呼んでいます。
過去に、他の上院議員も『ビットコイン』やその他の『仮想通貨』を『法定通貨』と認めるべきと発言しており、様々な議論が再燃しています。
ビットコインを法定通貨と認めるべきと述べる根拠は主に、『競争』と『広がり』の二点で語られています。
過去にオーストラリアの『公正取引委員会』は、ビットコイン関連企業を不当に厳しく扱っていた疑いがあります。
これには、ビットコインの流入による『オーストラリアドル』へのなんらかの影響を恐れた政府が関与しているという噂です。
つまり、『オーストラリアドル』と『ビットコイン』の『競争』を恐れた政府が、『公正取引委員会』を通じて、弾圧したという見方が強いわけです。
適切な『競争』を促すはずの『公正取引委員会』が通貨同士の『競争』を否定し、現行の法定通貨『オーストラリアドル』の『独占』を支持したとされています。
その後、ビットコイン関連のさまざまな事件が起こり、オーストラリア内でも『ビットコイン』に対して懐疑的な見方が強まりました。
しかし、さまざまな事件があろうともその価値は無くなることなく、着実な広がりを見せる『ビットコイン』に対して、遂に上院議員二名が国会で『ビットコイン』を『法定通貨』とする提案を行いました。
このような一連の流れを受けて、現在オーストラリアではさまざまな議論が再度なされています。
世界のGDPランキングで『13位』となるオーストラリアが、『ビットコイン』と『オーストラリアドル』の二つを法定通貨とした場合、その影響は世界に及ぶと考えられます。
ビットコインを取り巻く世界各国の動き:南アジア
インド
2016年末には新札の発行に伴い、旧札の500ルピーと1000ルピー札が一斉に使えなくなりました。
同時に、このようなインドの『法定通貨』への不安の高まりを受け、『ビットコイン』などの『仮想通貨』の需要がインドでは拡大しました。
人口第2位のインド国内でビットコイン需要が高まるということは、同時に『ビットコイン』そのものの普及を意味します。
インドが世界に与える影響も日に日に大きくなっていることを考えると、この『仮想通貨』需要も無視できない事態と言えます。
ビットコインを取り巻く世界各国の動き:東南アジア
シンガポール
2016年には、ブロックチェーン技術の大規模研究所をオープンしました。
アジアのブロックチェーン研究を牽引するこの施設は、フィンテックの最先端を行く研究所として、世界中から期待されています。
一方で、2017年8月2日にシンガポールでは、独自の仮想通貨の発行を通じて起業資金を集める手法(ICO)を規制するという発表がありました。
直接ビットコイン市場に影響があるわけではありませんが、その他の仮想通貨に影響があるため、無視すべきではありません。
今後のシンガポールの動きに注意しましょう。
ビットコインを取り巻く世界各国の動き:東アジア
中国
中国は『仮想通貨』大国と言っても過言ではありません。
一時は『ビットコイン』の総取引高の約8割を『中国元』が占める事態になったほど、『仮想通貨』に関心があります。
またさらに、ビットコインマイニングも盛んに行われています。
世界の約7割のマイニング(採掘)が中国関連のマイニングプールによって行われています。
そのため、ビットコインに対する『中国』の影響は非常に大きく、2017年8月1日の『ハードフォーク』の強行も、この強い立場による結果できたことと言えます。
そして、中国政府による『独自の仮想通貨』の発行が噂されており、今後の動きに世界が注目しています。
詳細については、以下の記事を参照ください。
【これさえ読めば、全て解決!】~中国とビットコインの深過ぎる関係~
北朝鮮
2013年~2015年にかけて国家ぐるみで韓国の取引所にハッキングを行い、約1000万相当のビットコインを毎月のように盗んでいた疑いがあると、アメリカの非営利団体の組織が発表しました。
噂では現在、ビットコインの大量保有者は北朝鮮にいると言われるほどの量になっているそうです。
真偽は不明ですが、北朝鮮が国家ぐるみでマイニングを始めたという情報も出てきています。
今後は北朝鮮の時事ニュースにも注意しながら、ビットコイン市場を見てみましょう。
なんらかの関連した動きが見れるかもしれません。
韓国
国内ではこれまで、アメリカの『ゴールドラッシュ』を彷彿とさせるほど、『マイニング』が積極的に行われていたようです。
しかし2017年8月8日、韓国民主党の議員がビットコインの規制条文を国会で公表しました。
正式に韓国政府より承認されたわけではありませんが、これにより『マイニング』を初めとする『ビットコインの利用』に、一定の規定基準ができました。
その影響かどうか定かではないですが、実際にその翌日には電気代の増加を理由に、一部の施設ではビットコインのマイニングが禁止される事態となっています。
このように、韓国は今後ビットコインに対して、どんどん規制をかけていく方向性のようです。
投資家心理の影響
良くも悪くも、ビットコインはニュースになることがよくあります。そのため、ビットコイン取引に関して、まだまだ懐疑的な立場の人たちも多く存在します。
プロの投資家(機関投資家)もビットコイン取引にはあまり多く参加していないようで、現在ビットコイン取引に参加している多くの人が、実は『投資の素人』だと言われています。
というのも、プロも嫌厭するほどの乱高下が、ビットコイン市場ではよく起きているからです。
その原因も『噂や憶測によって左右』されている部分があり、非常に『市場として不安定』となっています。
そのため、今までの経験や投資理論が通用しないケースも多く、誰にも先の読めない取引市場のため、参加しようとする人も限られてきます。
そして、限られた参加者が噂や憶測に左右されるため、ビットコイン市場が不安定になるというスパイラルに、現在は陥っているのです。
そのため、買いが買いを呼ぶスパイラルに入ったり、売りが売りを呼ぶスパイラルに入ることもあります。
一度どちらかに相場が流れると、15%以上はそのまま進み続ける流れが度々見られます。
そのため、バブルと揶揄されることもありますが、バブルならとっくに弾けていてもおかしくない頃です。
最後に
上記の各国の動きを見る限り、ビットコインには確かな『通貨』としての需要が存在しています。
また同時に、投資家心理が影響して毎回の『暴騰・暴落』が起きています。
これは恐らく、投資家がビットコインの価値を先追いしすぎてる結果の可能性が高いと言えます。
というのも、確実な需要に下支えされて、ビットコインの価値は伸びていきます。
それを察知した投資家が続々と買いに走りますが、バブルを警戒してある程度で利確し、売り抜けます。
そうなると、続々と売りが後に続き、どんどん値を下げていきます。
そして、『暴騰する前』と『暴騰した後』の中間くらいの価格帯のところで、毎回落ち着きだします。
これが、『本来の需要』に支えられたビットコインのその時点の『正当な価値』と考えられます。
つまり、ビットコインの暴騰は『投資家心理』によるものですが、しっかりとした下支えの『需要』があるため、価格は暴騰前まで戻ることはありません。
本来のビットコインの価格が『暴騰後の価格』に追いつく形で、推移している結果だと思われます。
そのため、毎回の『暴騰・暴落』はバブルではなく、ただの投資家とビットコイン普及の『タイムラグ』と言えるでしょう。